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今の状況に合わせた、通常運転再開を目指して [パーソナル ノート]

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 軌歴検象生カリューゼ・シャーリュン、その相棒の、山林管理手ケラランカ。
 二人を公開する漫画を6月に仕上げた後、作品づくりを進めていません。
 ネット上の投稿はしていますが、近況報告の文章に、すでに完成しているキャラクターたちの3Dデータで描いた画像ばかりにしています。
 もちろん、カリューゼとケラランカを考え出して公開したことが間違いだった、などという意味ではありません。
 今は、新しいアイデアを考えることを、意識的に避けているんです。



 実生活の問題点への対策を見つけて、毎日、予定通りの作品づくりの時間を確保する、ということができなければ、通常運転を再開するわけにはいかないんです。

 今までのやり方は通用しない…作品の内容を考える前に、作品づくりのために、時間やスタミナを確保する方法を、改善しなければならないからです。



 今振り返ると2020年は、あまりにも悪い行動パターンをとっていた気がします。

 2020年よりも前から、連日徹夜するなどの悪い行動はしばしばとってしまっていました。けれど、外出して毎日数十分は歩いて、体力を維持するようなことは、まだできていたんです。

 悪い習慣を続けながら、さらに外出を避けるべきだという圧力が加わって、外を歩かなくなって体力が落ちる、などといったことが重なっていったのが、2020年でした。

 今年に入って、親が介護を必要とするようになって、私がしなければならないことは増えました。ストレスも確かに増えています。

 そして、自分の都合だけで生活リズムを乱すこともできなくなりました。
 疲れてうっかり眠り込んで、時間を無駄にしても、親の食事の支度のように、しなければならないことを、まず片づけます。しわ寄せでつぶれるのは、作品制作の時間です。



 予定が狂うことを防ぐ対策がなければ、作品制作ができなくなる。

 どんな雑用も、それぞれ効率よく、早く片付ける対策を一つずつ見つけては実践してゆく。

 疲れて眠り込むことを防ぐためには、体力をつけなければ。
 外を歩くことが日課だったんだから、復活させるしかない。
 外出が最低限の時間だけではよくありません。

 体力が戻るのと、雑用を効率よくこなすための、ありとあらゆる工夫と。
 充分に実現するのが、いつになるのかは分かりません。でも始めなければならないんです。



 朝まともに起床して、どの時間帯も眠り込むことなく、雑用を何もかも片付けて、そして充分なコンディションで机に向かう。

 今の状況では、それでようやく作品を作る時間と気力がそろう。
 そんな日を目指して、地道に対策をとっていくつもりです。
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地道に調子を戻していくことが…できるといいな [パーソナル ノート]

 先週7日間で、寝床の支度をして眠ったのは4日でした。
 残りの3日は、晩に雑用をしながら眠り込んでいたんです。

 朝、予定通りに起床できた日はゼロでした。
 これじゃ、寝坊なんてソフトな呼び方で済ませる気もしなくなります。

 けれど、その前の週は寝床にたどり着いたのは2日だけだったから、少しずつ改善はしている…と思うことにします。
 生活やコンディションの改善を早く済ませて、作品をまともに作れるように調子を戻さないと。


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 先日、投稿するために絵を描いていたら、雷鳴が聞こえてきました。
 それで、あわてて絵を仕上げたので、見落としをたくさん残したままの絵を投稿してしまいました。まるでGIMPやBlenderを使い始めたばかりの頃に描いたような投稿でした。

 少し手直しをしてみたけれど、やっぱり大した絵じゃありませんね。

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 でも、天気のせいにしてもいけません。
 朝まともに起きて、眠気をこらえて起きているように心がけて、生活リズムとか体調とかを整えていたら、天気が怪しくなる前に作品ひとつくらい済んでいたはずなんだし。

 地道に行くしかないんだと思います。
 天気に文句を言っても雨が止むわけ無いし、親の介護で、しなければならないことが色々増えても、私の一存で解決するわけが無いんです。

 自分の睡眠の問題は、自分で対処していくものだと思います。
 就寝・起床の時刻を守って、それ以外の時間に仮眠をとろうと思わないようにして。
 今のコンディションでは、10分で起きるつもりで数時間眠り込んでしまうんです。何とか眠気をこらえるしかありません。

 奇抜な方法は役に立ちません。
 10分だけ眠ろう。のどが渇いているから、少しだけ寝た後、起きて水を飲みに行こう…
 …と思って眠っても、目を覚ましたのは数時間後。作品づくりの時間はブッツブレ。
 そんなこともありました。

 寝床の支度をしないで毎晩眠るのも、役に立たない方法です。これも忘れてはならないことでした。
 布団で眠らない晩が連日続くと、首や肩や足腰が固くなったような気がして、起きても眠気が取れていません。
 奇抜な方法は、私には合わないようです。


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 地道に雑用を片付けて、しなければならないことへ対処して、自分の寝床の支度もちゃんとして。

 続ければきっと体調も慣れていって、眠気のピークはちゃんと夜の就寝時刻に近づくと思います。

 それで睡眠時間も、作品づくりの時間も、がんばって確保しましょう。
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自分を守らないと、作品づくりはできなくなる [パーソナル ノート]

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 周囲の人が何を目指しているとしても、私だって自分の目標をあきらめないことが大切なんです。

 自分を大切にする。
 そう言うと「自分勝手」と決めつけられることがあります。実際、そういう言葉を掲げて身勝手なことをする人間もいます。

 それでも、私自身の都合は、主張し続けるしかないんだと思います。
 卑屈になっても、哀願調になっても、誰に対しても絶対に通じません。懇願しても手加減はしてくれません。稽古じゃないんですから。

 心のバリアを作ると言うと、悪く解釈されることがあります。人との関わり合いを拒むとか、心を閉ざすとか、悪い意味にとられることがあります。
 でも本当は、そうじゃないんです。

 私と仲良くする気は無いけれど、私を自分の都合通りに振り回したい、と思っている者はどこにでも現れます。
 そういう相手がどんな態度をとっても、私自身の生活や目標を守るためのバリアが必要なんです。

 相手が本当に悪いのかどうかは関係ありません。
 実の肉親だって介護が必要な身になれば、どんなことを気にするのか、健康な人とは違ってゆくのでしょう。
 それに仕事で介護をしている人は、仕事の効率などについて、それぞれに思っていることがあるんでしょう。
 私が何もしなくても、誰かが私の都合を聞いてくれるわけではないのは当然なんです。

 誰かから言われたことを断ったり、無視したりすることが必要な時があるんです。

 冷たいように見えるとしても、相手がそもそも甘えた付き合いなんか求めていないんです。
 私と仲良くする気は無いけれど、私を自分の都合通りに振り回したい、と思っているにすぎないんです。
 私のことを非難するのも、相手の都合なんです。絶対完全な正義ではありません。

 えらい誰かが決めてくれるわけがないし、誰かが私の気持ちを察して優しい取り計らいをするわけではありません。
 もしそんな奴が本当にいたら、何か悪いことを企んで私を巻き込もうとしている奴でしょう。

 作品を作る時間を確保するのは、私が自分で努力するしかないんです。
 仕事として通用する作品を作れるようになれば、現実的な理由から、私の立場を守る方が利益になると考える相手も、現れるようになるはずです。

 作り手として評価と報酬を目指すために、自分を大切にする努力は必要なんです。
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目標退化? [パーソナル ノート]

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 この頃気分が悪い…なんてこと言っても私が要介護じゃないんだから笑いものにされるだけか。

 去年あたりから、作品を作る効率のためだと思って徹夜したり、寝床ではなく机の足元で横になって眠ることを毎日のようにしていました。

 そんなことを続けたせいか、疲れが取れなくなっていました。
 去年最後のイベント出展の日は、帰った直後に荷物の片付けもせずに眠り込んで、気が付くと次の日の朝でした。

 朝、まともに起きられないだけではなく、昼間でも椅子に腰かけると猛烈な眠気が襲ってくるようになりました。ふっと力が抜けると強制終了、という気分です。
 とうとう、スケジュール通りに机に向かっても眠り込むだけで、予定の大部分を無駄にするようになっていました。

 対策を必死で考えました。毎日の日課の時間を見直して、毎晩、寝床の支度をして、ある程度の長さの睡眠をとるようにしたつもりでした。

 けれど、今年初め、親が骨折して要介護になって、急に用事が増えてしまいました。

 最近は、対策を考える前に戻ったかのように、毎日猛烈な眠気が襲ってくるようになってきました。
 イベント出展を終えた日のように、部屋に戻ると寝床の支度もできずに眠り込みます。

 家事を片付けている途中で、家の廊下で横になって数時間も眠ってしまったこともありました。親はベッドで寝ているから私のことには気づかないんですが、不規則な睡眠をとりながら、周囲に知られないように、雑用だけなんとか時間通りに済ませる日が増えました。

 作品に対する評価と報酬を目指しているどころか、まともな寝床にたどり着くのもままならない。
 つまらない旅路です。目標がずいぶん退化したものだ…

 けれど、なんとかしないと。実際に目標にたどり着くために役立つことが何なのかを、よく考えて、行動をしないと。

 あきらめてしまえば、可能性は本当になくなってしまう。

 自分で書いた漫画のセリフでも使った言葉だけれど、何かできるはずだと思って行動しなければならないんです。
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気づかないふたりの制作記 おまけ [パーソナル ノート]

 …あるところに学園都市がありました。よくある学園都市とは、違うところがありました。商店や交通機関、その他、都市のあらゆる公共施設が全て、学生が運営するサークルだったのです。
 そこへ新入生として登場した主人公くん。登校しようと寮を出ます。学校へ向かう電車に乗ったら、運転士も車掌も女子高生でした…

 だいぶ前に考えた学園もの漫画のアイデアです。この漫画自体は仕上げるまでに至らなかったのですが、最近思い出したものですから、いま活動中の「ゼフィーベの空に風翔けて」に取り入れる形で、運転士と車掌には復活してもらいました。

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 普通の世の中で暮らして、人間の相手はするけれども、羽があって空を飛ぶ人は見たことが無いし、その他ファンタジーの世界の住民には出会うことが無い。そんな「気づかない人」を作品世界に導入しようと考えたのは、昨2016年の春ごろでした。
 決まっていたのは「気づかない」という部分だけで、かれらの職業・外見・年齢・性別・人数については様々な案を比較検討していました。
 支配階級、秘密結社、警察官、あるいは何らかの貧しく無学な集団…アイデアの数はあったけれども、既成のドラマにも出てきたような陳腐な案が、ずいぶんありました。
 夏ごろはまだ、この段階の絞り込みができていなかったので「気づかない人」のシナリオを作ることはあきらめて、かわりに不人気を承知で持ち出したファレンカム=サークが登場する『空に迷う少女と黄昏の車輪使い』を執筆したのでした。
 車輪使いというモチーフから汽車を連想したのか、この頃、だいぶ前の学園都市ものの案を思い出しました。

 当初の案の、運転士も車掌も女子高生だった…とは、何とも安っぽいネタですけれど、これも漫画を面白くしようという対策ではありました。

 学生時代に何度か聞かされた言葉があります。
 学園の主役は、お前ら学生なんかじゃない。卒業までのほんのわずかの間ここに通ってくるだけのお前たちが学校の中心だなんて、誰も思ってないんだからな。

 そこで思ったのですが、じゃあ学生が主役になる学園ものってどんなものだろう…と考えついたのが、町じゅうを学生サークルが運営する学園都市、というものでした。
 当時は「気づかない人」とは無関係に考え出していたものでしたけれど、現在のアイデアと組み合わせてみれば、ほかの候補よりは新鮮だと思うので、トラムカンパニーの二人として仕上げたことは良かったと思っています。

 もう一つ、重要なことも決めました。二人は一般の人間以外の存在には気づかないだけであって、憎んではいないし怒りも見せない、ということです。
 ここが誰の縄張りなのか、誰が正当なメンバーで誰がよそ者なのか、そういうことを主張するのではなく、もっと読んで楽しくなるシナリオにしてみよう。その考え方も、二人の性格作りに役立ちました。
 今のご時世、あいつが敵だ、こいつを追い出せという類の主張をして分断線を築くと、高い支持率が集まるのかもしれませんけれど。
 まあ、売れっ子のまね事はやめておくことにします。

 現在は、来月開催のコミティア119に間に合うように新作漫画の制作を進めています。
 苦労して考え出したトラムカンパニーの二人も、登場する予定です。



車輪使いファレンカム=サーク [パーソナル ノート]

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 はるか昔、人類が車輪を発明する時に助力したことをとがめられ、神々の都から追放された者。一対なる雌雄の車輪を操る。
 最近、視力が気になってきたので、眼鏡をかけるようになった。こまめにレンズを拭いて手入れをしている。
 最近というのはレンズ2枚がそろった眼鏡が発明されるより前で、視力の低下というのは目視での誤差が100ナノメートルを超えたというもの。

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 車輪使いファレンカム=サークのイラストです。人気が無いキャラクターなので小さい絵にして、評価が公開で点数付けされるPixivではなく、ブログに載せておきました。
 人気は無いんですけれど、画面を仕上げるのが楽なキャラクターです。Blender上で動かしても、予想外にゆがんでしまう関節は無いし、語り部リンナミーシャの羽や衣服とは大違いです…。


 外見や小道具だけではなく、経歴や過去の人的な交流なども考えてはいましたけれど、漫画などに使うかどうかは未定です。
 …いや、たぶん使わないでしょう。ただでさえ私の投稿は大したことない評価点数ばかりなんですから、楽ができるキャラばかり使っていると思われては、ますます評価が落ちていくでしょうね。
 それに今年、シナリオのキーパーソンとして登場させたのですから、来年まで続けて目立つ役にしなくてもいいだろうと思っています。
 今後も活躍してもらうから今回プロモーションしたのではなくて、当分使う予定が無いキャラだから今回だけ記事に使ったんです。

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 赤毛のシャウラのように、この頃出番が少ない女の子を活かせるシナリオをまず考えることにします。陽気なグラフィートーのような小さいキャラクターも、これまでの経験で活用法が分かってきた気がします。
 マンネリ化しないように、いろいろ対策を探っていきます。


 このごろ、自分は無力だな…と思う時が多いものです。CGソフトの使い方を研究しても、イラストを描いても、物語を考え出して漫画に仕上げても、現実の世の中を動かすことなんてできませんから。
 まあそれでも「俺様は何でもできるんだ」とか言い張って過激な言動を乱発するよりは、正直で現実的かもしれない…とでも思うことにします。

 世の中から相手にされるように、作品、作っていかないと。
 漫画やイラストだって、いくら作ってもすぐに忘れられてしまうのかも。

 2011年の地震や原発事故だって、今の小学生くらいの世代はよく知らないのだと聞きました。
 小学生の間での避難者への偏見は、周囲の大人からの影響なのだという話も聞きました。
 現実の災いの恐怖も、私たちは語り継ぐことなく、記憶をゆがめて、あっさり忘れてしまう。
 これじゃあ、絵描き一人を相手にする人なんかやって来なくて当然だなあ…。

 それでも、がんばって作品を作ってゆくしかない。そう考えることにします。
 「お前がやっていることは卑しい、みっともないことだ」などと言われたくもない。
 「お前がやっていることよりも、戦争に行くことは尊いんだ。絵かきなんかやめて殺し合いに行け。死んだら神様として敬ってやる」などと言われたくもない。
 無力な凡人の私だけれど、性格や特技は主張させてもらうぞ。
 そう思いながら今日も作品づくりを進めます。




気づかないふたりの制作記 その2 [パーソナル ノート]

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 今月26日はデザインフェスタ出展の日なので、作品準備を進めています。

 準備は始めたばかりなので、今回も先月公開したトラムの乗務員ふたりの話題です。
 「気づかない人」は、はじめからトラムの乗務員と決めていたわけではなく、たくさんの候補の中から選びました。

 主人公のすぐ近くの住人だけれども、主人公の特別なところに気づかない。身のまわりにいる不思議な存在・非日常的な事件を見過ごしている人物。…じゃあなぜ、かれらはそれに気づかないんだろう。そんなことから、検討をスタートしました。

 注意した点は、不思議なものに気付かないことは優劣ではない、ということです。
 できないこと、経験が無いことを挙げて相手を責めるのはいくらでもできるから、愚かさや慢心を前面に出した人物像にして、笑い飛ばされる者にすることは避けました。

 それで、読者の大多数が親しみをおぼえてくれそうな、実際に身近にいてほしいと思ってくれそうなキャラクターを目指すことにして、働き者で人あたりの良い女の子ということにしました。
 ちょっと鈍感かもしれません。けれどもパーシュ運転士とラリィ車掌は、大切な仕事に専念しているから、仕事に直接かかわらないことを詮索しようとは思わないんです。

 悪役として作ることもできたはずですけれど、そうしないように気を付けました。
 現実に今の世の中、悪いことはみんな誰それのせいだ…とか決めつける風潮がありますからね。漫画は単純な舞台設定なら読みやすいけれども、それをそのまま現実の人生に置きかえる発想がそこかしこに伝染しているようなら、作り手としては低きに流れないように、作品づくりの工夫をしよう…というふうに思いました。

 そういうわけですから、安全運転ですね。最短コースを突っ走ればいいってものじゃ、ないってことです。


気づかないふたりの制作記 その1 [パーソナル ノート]

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 トラムの乗務員として登場した二人の話題です。

 パーシュ・ティラード運転士とラリィ・アービル車掌には、不思議なものを直接見る機会がありません。
 羽がある少女、空の語り部リンナミーシャのうわさを聞いたことはあるけれど、リンナミーシャが翼を広げて飛んでいるところを見たことはありません。
 蝶と言葉を交わすキャプテン・キュンメルの名前は知っているけれど、迷信だと思っています。もちろん、いもむしラゼンパの存在なんぞ、想像もできやしません。

 アニメや特撮のヒーローの話によく出てくるキャラの一種です。主人公の近くで暮らしているけれども、主人公が実はヒーローに変身することに気づいていないという、あのタイプです。
 構想ノートに書いていた頃は便宜上「気づかない人」と呼んでいました。

 物語に登場するけれど、主役であるリンナミーシャやラゼンパの実像を知る時が来ない者として、どんな人物像を描こうかと、いくつかの候補をあげていました。
 どれにしようかと長い間迷っていましたが、少し昔、別の作品のために電車の乗務員の女の子というアイデアを書きとめていたことを思い出して、今回使ってみることにしました。

 そうそう、ほかの「気づかない人」候補は不採用というわけではありません。主人公の真の姿を知る者はわずかしかいない、というのは物語ではよく活かせるシチュエーションですからね。ここで記事のネタにしてしまうのではなく、機会が見つかるまでとっておくことにします。

 一ヶ月後のデザインフェスタ出展のために作品準備を進めながら、少しずつブログにも投稿していきます。出展作品の予告ができる段階までは、まだ日数がかかると思いますから、次回もパーシュとラリィの話題にする予定です。

車輪使いファレンカム=サーク 登場の経緯 [パーソナル ノート]

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 先月完成させた漫画『空に迷う少女と黄昏の車輪使い』に登場した車輪使いについての話です。

 登場にあたってイメージしていたのは、たとえばムーミン谷の「飛行おに」のようなキャラクターです。そのせいか、白ずくめでひょろりとしています。
 性格を考えながら、イーデン・フィルポッツのファンタジー小説『ラベンダー・ドラゴン』も思いおこしていました。そのせいか、ラベンダー色の目をしています。漫画本編の白黒の画面では分かりませんけれど…。
 それに、ハイジのおじいさんとか、主人公の周囲で物語に関わってくる、年配の人物像をヒントに性格作りをしていました。
 年長者ですが、デウス・エクス・マキネにはしない、ということは当初から決めていました。つまり、事件の舞台に最後に現われて偉そうに正解を教えてやる、というタイプではありません。

 ファレンカム=サークが人気者にならないことは承知しています。2010年頃デザインフェスタ出展に持参した絵の中で、一度だけ出番を設けてみたことがありました。誰にも相手にされなかったものです。
 それでも今回登場させたのは、主人公リンナミーシャが議論する場面を出すことにしたからです。意見をたがえて対立する相手ならば、主人公よりも強そうで、見るからに優れた知性の持ち主がいい…漫画としての盛り上がりのためなら、不人気なデザインのキャラクターも使えるのではないか。そう思って試してみました。

 リンナミーシャが対立する、と言っても、相手が無知、邪悪だから、つまり、とにかく叩きのめしてしまえばOK、ということにするのは避けました。
 相手を短絡的に敵とみなす、単に打ちのめして追い払えばいいに決まっている、そんな風潮はしばしば見かけますが、単純で派手なだけの、薄っぺらの対決で終わってしまう気がしました。

 自分と境遇が異なる相手を、ただ非難すればよいというのであれば、それはそれで気楽かもしれません。世の中を見る目を単純化できます。闘争心をむき出しにできる限り、何でも片付けられるでしょうね。
 シナリオを考える場合でも、敵が傷ついてこの世からいなくなることにすれば、楽かもしれません。

 相手の立場を推し量る方がずっと大変です。価値観が違う、意見が合わない相手と話し合うのは、とても疲れます。
 でも、立場や考え方が違う相手と話し合わなければならない、相手の立場・価値観を尊重しなければならない、合意点を探らなければならない、そんな場面は、現実にいくらでもあるものです。

 確かに、得体のしれない勧誘は断ればいいし、犯罪者には近寄らなければいいでしょう。話し合わずに終わらせる場面もあります。けれどもそれは、なんとなく気の合う相手とだけつるんで口をきいていれば生きてゆける、という意味ではありません。

 こんなふうに考えた末に、精神的に年老いた車輪使いが、相手としてふさわしいと思えてきました。作中で、わしはこの頃疲れてきた…と言ってネガティブなアイデアを話しますが、話している本人も信じてはいなくて、悲観的になったり優柔不断に陥ったりしやすい心理ゆえの発言なんです。
 疲れやストレスのせいで捨て鉢になっている時に頭に浮かんでくる「死にたい」「殺してやる」というような、本気にしてはならない発想なんです。

 今の段落で書いたことだって、私個人の感覚にすぎなくて、ひとには通じないのかもしれませんね。世の中には、疲れてストレスをためて、追いつめられると気が高ぶって実力を発揮できる、という人もいるようです。人を傷つけることが好きだから、後付け的に敵を作ったり、戦う口実を探したり、という人もいるようです。
 それでも、相手をただ打ちのめせばいい、ということではないんです。私個人も尊重してもらいたいから、自分の考え方を主張し続けるんです。

 それはそれとして、ファレンカム=サークばかりを画面に映しているよりは気がなごむのではないかと思って、その仲間として時計仕掛けのフィボートを考え出しました。

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 フィボートは比較的好評だったし、ファレンカム=サークを登場させたことも、決して無駄ではなかったと思っています。
 考えてみればハイジのおじいさんよりも、ハイジ本人の方が人気者なんですからね。ダサいキャラクターでも登場する意義があるという局面も、時にはあるはずです。うん、どんなひとにも生きている意味があるんだ!




氷雪王、真夏の出展準備 [パーソナル ノート]

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 この間のPixivでの投稿で、今回制作中の漫画の一コマをお見せしました。
 ご覧のとおり、歩く冷蔵庫こと「不思議の国の氷雪王」が登場する予定です。

 間の抜けたやつで、自分が偉大な王様だと思い込んでいます。
 氷の結晶を手裏剣のように操るようですが、せっかく用意した氷を日なたに放置するといったドジをしでかすようです。
 自分は強いと思っていますが、朕は最強なり、いつでも戦えるぞよ、などと言い張ってひんしゅくを買って、かえって自分の立場を悪くしていくタイプです。

 くせのあるキャラクターですけれど、シナリオを作る場合には、こういうトラブルメーカーが役立つ時があるものです。

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 それに、Blenderで作成した氷の結晶を作品上で使う機会も増やせます。偶然のひらめきが重なって誕生したゆるキャラ氷雪王ですが、なかなか役に立ちます。

 こんなやつも利用しながら、執筆がんばっています。何とか8月21日のコミティアに間に合わせたいと思っています。



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