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赤毛の貿易商 シャウラ・ディーミ

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 赤毛の貿易商、シャウラ・ディーミ(Shaula Dhimi, a red haired trader)
 イベント参加・ネット投稿で作品公開を始めた当初から登場している女の子です。
 呼び名の中の、赤毛を指す語のアルファベット表記には、はじめはgingerを使っていましたが、香辛料専門の商人ではないのに、まぎらわしいので、redと表記してみることにします。

 Blender上での髪の動きをより自然にして、衣服や靴のディテールを改善…していたのですが、この投稿のために画像を作成してみると、あまり目立たない点ばかりです。分かりにくいので細かい説明はやめておきます。とにかく、細かな下準備の積み重ねです。


 こうして3Dデータの手入れをしながら、以前読んでいた本を色々と思い出しています。今の作品制作に反映していることが色々あります。

 『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の中で、チームメートなどの登場人物をしばしば、ポジション+フルネームで表記していたのが、読みやすくてうれしかったので、私も見習うことにしました。

 登場人物が何者なのか、読者になるべく早く覚えてもらうためには、本人の名前だけ載せるのではなく、肩書や形容をこまめに添えるのが役立つのではないか。
 そう思って、シャウラという名前だけではなく、赤毛の貿易商シャウラ・ディーミと呼んでいます。

 クラフト・エヴィング商會の作品を読んで、不思議なアンティークを見つける話、あるいは誰かが売りに来る話も、面白いな…と感心した時期がありました。

 シナリオに変化をつけるために、毎回新しい敵役が登場するような、いわば今週の怪人/犯人という方法もあります。
 ただ、マンネリ化を避けるために、敵の手口や暴力描写がエスカレートしかねないので、私としては使いたくない方法です。
 先月私が公開した漫画『教室のむこうの秘密』は、制作開始前のアイデア検討がうまくいかなかったので、何とか軟着陸を目指した結果でした。

 不愉快な目に遭った時、不利な立場に立たされた時、意見を主張する手段は何か、悩む時があります。
 手段を思いついても、現実には役に立たないという時もあります。
 対立する相手をモデルに醜悪なキャラクターを作って、作品で惨めな役をやらせる。すぐ思いつくけれど、これは無駄です。
 ジャーナリストが社会問題を告発するために記事を書くのとは違います。娯楽用にそんなものを作っても、誰にも伝わりません。

 作品に愚痴を織り込んでも役に立たない。
 推理小説を書く時に、犯人のモデルに身近な友人を使うような、身内のじゃれ合いのように見えるものでは、意味がない。
 だから不満も、トラブルも、怒りも、作品へこめてはならないと、自分に言い聞かせます。

 自分に言い聞かせないと忘れてしまうから、こんな文章を自分で書いているんです。実践できているからなどではありません。


 一方で、戦いの場面を使わない方法もあります。たとえば、毎回個性的なキーアイテムを登場させる、ひみつ道具方式です。
 日常離れした異国の品に接触する機会のありそうなキャラクターは、きっと力になると思いました。
 作品が悪い方向に流れないためにも、素晴らしい先輩方のアイデアを見習わなくては。

 だから戦闘要員ではなく、赤毛のシャウラは貿易商なんです。

 クラフト・エヴィング商會の著作にも、主役として貿易商が登場するものが多くありますが、シャウラを考え出す時、まね事にはならないように気をつけました。職業など部分的な共通点があるだけで、作品の人物としては全く別のものです。

 今まで触れてきた沢山の作品があるおかげで、赤毛のシャウラをはじめ、私のキャラクター達のアイデアがあります。

 シャウラの出番は近頃多くありませんが、登場の機会を確保したいので、がんばってもっと作品を作りたいと努力しています。


 漫画を書く、作品を作ることは、気力体力を使う作業です。
 少なくとも、仕事として通用するものを目指して、必死に制作するというのは、そういうものです。
 だから、解決策の無い怒りに、エネルギーを使うわけにはいかないんです。

 現実的な手段を見つけるまでは行動を起こせないし、その前にしなければならないことがある。
 私が作り手として仕事を請け負うために、性格や技術を尊重される仕事で、充分な収入を受け取る立場へたどり着くために、努力しなければならない。

 つまんないことにムカついてるヒマ人がラクガキしてる、などと決めつけられている場合ではないんです。

 だから、この投稿を済ませたら、また少しがんばります。




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