衣装準備の一歩
新作の執筆準備を進めています。
執筆内容の検討をしながら、必要な人物を画面に登場させる準備をしています。
ふわふわ操縦士ミルコーロ・ゼンプテは、本業は学生ということにしているので、同じ学校に通う人物を登場させる機会は無いかと、前から考えていました。
ミルコーロの制服のコピーを作りましたが、やせ型のミルコーロと体格まで同じではなくてもいいはずなので、標準的な感じの体型にしておきました。
白いセーラーカラーの制服で、スカートの後ろ側が長いのが特徴です。
それと、ラリィ・アービル車掌と同じ、トラムカンパニーの職員の用意です。
制服準備の段階では、体型は特に変えていませんが、色に変化をつけてみました。
特に理由があるわけではなくて、画面が単調になることを防ぐとか、配色を実際に使ってみるような意図です。
チェック柄の制服です。トラムで使う仕事着という趣向で、線路をイメージした二本ひと組の線を並べることからスタートして、作った図案でした。
どちらの服装も、ミルコーロやラリィとは別のファイルにして作業を開始しました。
作業をしてみると、することが多くて失敗だったかな…と思いましたが、そうでもない収穫はありました。
作業手順の関係で、トラム乗務員の制服のチェック柄をポリゴンの表面に張る作業をやり直したのですが、作業直前に気が付いた方法を使ってみたら効率が良くて、以前ラリィ車掌の制服を作成した時よりも、早く終えることができました。
今後、テクスチャーを手早く準備するのに役立つ経験だったと思います。
CGで服を作ってどうするんだ、と言われるかもしれないけれど、作品を仕上げるためのわずかな一歩です。
自己を変革してゆくとか、たゆまぬ努力で進歩してゆくとか言われますが、本当はこうした小さな準備や改善の積み重ねが大部分で、今までの自分と全く違うことをするというのは、人生に数えるほどあるだけだったり、あっても一時的なことだったりする、という気がします。
自作の本や絵を公開して売り込みたいから、出展料を用意したり手続きをしたりという、好きではないことも我慢できるんです。
大切なものを確保したいから、無くすものや見送るものという対価を容認できるんです。
私の作品を毛嫌いする人はいるし、きっかけが何かあれば私が作品づくりをやめると思っているらしい人もいます。私が何も作っていないと決めつける人もいます。
そうではないといくら言っても通じないとすれば、好きな物や大切な事を簡単に投げ出す人が、そんなに多いのでしょうか。
人によっては、働くのはパンを食べるためだ。飯にありつくことだけが目標だ、と言うかもしれません。
自分のスキルやキャリア、性格と無関係の分野で食いつなぐことは一時的なものだと思うけれど、実はそれが生涯の目標だ、という人もいるということなんでしょうか。
ある仕事が稼げると聞いたら、自分と無縁の分野なのに、あっさり転職してゼロからスタートして、どんどん儲けるという人もいるのかもしれません。
そんな人はもしも、フナクイムシは新型ウイルスに感染しない、などと聞いたら、フナクイムシに変身するんでしょうか…
好きな作品づくりを続けることができるのか、不安にさせるものは、いつだって現われるものです。
災害が起きるかもしれない。感染拡大の影響で世界中の産業がおかしくなるのかもしれない。
日常生活さえ必需品が足りなくなって、パソコンの部品なんか生産されなくなって、CGソフトなんか使えなくなるかもしれない。
イベントも規模縮小の時代が始まるかもしれない。オリンピックは選手の記録をつけるだけの無観客開催になるかもしれない。
創作活動のイベントなんか安全のために、すでに実績のあるベテラン作家と業界の正社員しか入れない会場になるのかもしれない。
…面倒な言葉を並べるのはやめておきます。
好きだと思える作品を、目指しているつもりです。面白い、楽しい作品を作りたいと、いつも思っています。
現実の生活の中で、自分が守って確保したいものが何なのか考え抜いたから、公開する作品を作る時間を、懸命にやりくりしているつもりです。
作品を作ることができるから私は、不安に耐えたり、ストレスに対処したり、してゆけるのだと思います。