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ちいさなドードーの ささやかなお話 [ストーリー - セッション]

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七つの風の翔ける郷の語り部 リンナミーシャ

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空飛ぶちいさな ドードー・ジェット

 ゼフィーベの森の山奥に、ドードー・ジェットというロボットが住んでいた。
 ある時そこへ、羽のある少女が通りかかった。

 ドードーがたずねた。
 「リンナミーシャよ、羽があるということは、もしかして…七つの風の翔ける郷の民なのかね?」
 「知っているんですか! わたしのふるさとのこと!」

 リンナミーシャがおどろくと、ドードー・ジェットはしきりにうなずいた。
 「うむ、すばらしい地だと聞いているのだ。」

 ドードー・ジェットがうれしそうに目を輝かせていた。というか、目を輝かせているような気がした。
 「はるか昔、地上の人間が戦争しか考えない野蛮人だった頃、空を飛べる民は狙われないように、飛ばないとたどり着けない、安全な場所に移住して、平和な国を築き上げたという。七つの風の翔ける郷は、伝説の地なのである。」

 リンナミーシャが、きょとんとした。けれども、ドードーは話し続けた。
 「一度はこの目で見たいと思っていたのである。よければドードーを、案内してくれないかね。」

 「お気の毒なんですけれど、それは無理なんです。」
 リンナミーシャが、力が抜けたような返事をした。というか、実際とてもがっかりしていた。

 「わたし、道に迷って、このゼフィーベの国にたどり着いたんです。ふるさとへの帰り道は、探しているところなんです。」

 ドードーが、ぽかんとしていた。もともと間の抜けた顔をしているけれど、なぜかいつもより、力が抜けているのが見て取れたのだった。
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