ドードー・ジェット [ストーリー - キャラクター]
ゼフィーベの森の奥に、あるロボットがいた。
ドードーという名前だったけれど、鳥のドードーとちがって、空を飛ぶことができた。
それなので、鳥のドードーではなくて、ドードージェットだった。
ドードー・ジェットは、へんぴな山奥で畑をたがやして、ランタンカボチャを栽培していた。
ランタンカボチャは、カボチャちょうちんやかぼちゃロウソクが作れる、かぼちゃ油の豊富な作物だった。
それでドードーは、ランタンカボチャを栽培して、自分で使う燃料を製造していた。
ゼフィーベの森のへんぴな山奥に住んでいるのは、空を飛べるドードーにとっては、陸路で往来できる土地を獲得する必要が無いからだった。
ジェットの力で空を飛ぶので、長い滑走路があると便利かもしれないけれど、ドードー・ジェットは小さなロボットだったので、小ぢんまりした自分の家が、特に不便だとは思わなかった。
人目を避ける理由は無かったのだけれど、人間に会いに行く用事が無かった。
ましてや、森の奥のドードー・ジェットの家に立ち寄る人間など、これまでいなかった。
けれども、ある時、ある少女がやってきた。
その少女には、羽があった。
「おぬしはいったい、どうやって来たのだね。」
「空、とんできました。」
どう見ても事件ではないけれど、ここでもまたひとつ、不思議な物語が始まったのだった。
2013-02-02 09:28
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