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自分が反面教師にならないように、気をつけないと。 [ポリシー]

 CGソフトで画像を描いて、配置して紙面として仕上げる作業は迷うことなく進められますが、その前のシナリオを作る段階で、いつも迷って時間を費やしてしまいます。


 手っ取り早くストーリーを大量生産するような方法は無いのかと、つい思ってしまいます。
 例えば、ありふれたテレビドラマや映画のように、毎回どうしようもなく邪悪な敵が現れて、主人公が軽快にやっつけてしまうとか。
 でも、すぐに思い直します。そういう安っぽい筋書きを数えきれないほど見てきたから、市販のコンテンツをチェックするのが嫌になったんだと、思い出すんです。


 戦って相手を打ちのめすしかないというシチュエーションは時代遅れでしかありません。我々には宣戦布告をする権利がある、君たちの領土へいつでも攻め込むことができる、そんなことを宣言しても役に立ちません。
 現実には、脅威をもたらす人々というものは、もっとはるかに巧妙で陰湿です。
 そして、誰かを敵視して、それを正義だと信じることも、邪悪な敵というものを別の視点から見せているものでしかありません。
 いじめは悪いことだと説教する人がいます。いじめている当人は、標的の人に何かの非があるから、正当な報復をしているのだと思い込んでいます。被害者から見ると悪人、そして当の加害者は自分のことを、正義のいじめを武器に戦うヒーローだと思い込んでいる。そんなことはよくあります。絶対的に正しい正義や悪なんて、実験室のような環境で作るものでしょう。生身の人間はそこにはいません。

防寒服姿の探検隊

 わき役をたくさん作ろうかと思ったこともありました。画面に出して楽しくなるキャラクターならいいでしょう。以前探検隊のキャラクター達を作成した時は、それなりにユーモアのある画面を描けました。


 けれど、ぱっとしない外見の、いわば他人・よそ者専用のキャラクターを作っても、面白い作品にはならないだろうと思います。

 人体の3Dデータの作成には何日もかかるから、という技術上の理由もあります。
 もう一つの理由は意識面のことです。主人公と違う、というより、明らかに劣るような人をあえてデザインして画面に出すのは、なんだか創作上に身分の差を出すような気がしてきたんです。

 自分は重大な役目についているから、他の者たちの仕事や自由を奪ってよい。お前たちの義務は、我々に奉仕することだ。そういううぬぼれた者が、ささいな理由で自分を特権階級だと思い込んだ者が、ひとに対してどれほど残酷になるのか。私たちは忘れないようにしなければなりません。身のまわりでも、ニュースでも、過去の歴史でも、実例は枚挙にいとまがないものです。
 人気が出そうなキャラクター、イラストや物語、こうして記事を書くときに主役になれるキャラクターこそ、つくりがいがあるというものです。


 忘れてしまって作品を作る立場になると、昔の自分がうんざりしていたような、つまらない作品を作ってばかり、にもなりかねません。気を付けないと。



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