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ファスト・クラウド [ストーリー - キャラクター]

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 即席わき役、というようなものです。正確には、キャラクターとか作品とかいうよりも、その材料です。

 3DCGソフト、ブレンダー(Blender)で立体グラフィックデータを作成する際、人物の体の動きなどを再現するために、データを入力してゆく作業があります。手足などの関節によく使われるのが、アーマチャー(Armature)と呼ばれるタイプのデータで、画面上では、棒や点などで骨格を模した形で表されます。

 再現したい動きが多様になり、細かくなってゆくほど、アーマチャーも複雑なデータになってゆき、入力・調整に時間がかかります。

 ファスト・クラウドは、逆に簡略化したアーマチャーです。主役として使うためではなく、一度だけ登場するとか、重要な表情をつける必要が無いといった、補助的な人物を画面に出す場合のために用意しました。ブレンダーのアドオンでも、人型に組み立ててあるアーマチャーは入手できるのですが、ファスト・クラウドはそれとは異なり、リンナミーシャほかの自作アーマチャーをもとにして、私が加工したものです。


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 主役キャラクターの中で、データ作成の工程を最も短くしたのは、蝶の司キャプテン・キュンメルでした。同じ期間内に、蝶たちやいもむしラゼンパのデータも作る時間を確保するためでした。

 作業を迅速にするために、早くできるデザインにする、という段階から対策をとりました。当初は髪を結い上げているデザインも検討していたのですけれど、複雑な形状は避けることにしました。

 リンナミーシャの顔と、遍歴のカーロの髪型のデータをコピーして、データ作成のスタートとしました。それに、他の女の子と違い、衣装は一種類だけにしました。アーマチャーももちろん、リンナミーシャやシャウラとほぼ同じものです。

 細かいやりくりをしたのですけれど、それでもキュンメルのためにかけた時間は、合計すると一週間にはなりました。

 一方、前回の記事に登場した、調査団の防寒服姿と雪山の大ザルの場合、データ作成開始から実働段階にできあがるまでは、2点あわせて3日間でした。

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 ファスト・クラウドの用意ができたので、必要に応じてさまざまな人物を画面に登場させることが、より早くできるようになりました。今後さらに、イラストの表現に幅ができるものと思っています。

 リンナミーシャ達のアーマチャー作成については、トニー・マレン著『3Dキャラクタアニメーション Blender』(2008年 アスキー)の解説を出発点としています。リンナミーシャ達のデータは、同書のチュートリアルを私なりに発展させたものです。現在のバージョンのブレンダーの方がより使いやすくなっているので、それに合わせた改良も施しています。



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