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この二人を、手放すものか。どんなアイデアも手放すものか。 [パーソナル ノート]

 昔思いついたアイデアがありました。人名やキャッチコピーの、いくつかの案でした。

 単純な語呂合わせでした。せいぜいおしゃべりのネタにする程度で、作品に使うのは馬鹿らしいと思っていました。

 けれどある時、全く同じネタが、新聞の広告の中央に、大きく載っているのを見ました。

 つまらないネーミングだと思って却下したダジャレを、ラジオで名乗る声を聞きました。誰かがキャラクターの名前に採用していたんです。



 くだらないダジャレだと思います。
 私が言っても、誰もかれも白けるだけだろう、まともに相手にはされないだろう。今もそう思います。

 けれど、確かなことがあります。

 それで売り込んで稼いでいる誰かがいる。
 くだらないはずのネーミングを、主役の名前に使うコンテンツがある。
 自分のペンネームに使って、一人前の作家だと認められた誰かがいる。
 そのダジャレに価値を認めて、資金を用意した企業が存在する。
 その語呂合わせが利益を生むと考えて、営業活動に奔走する人々がいる。

 私が描いた絵を、新聞に載せるために数十万・数百万の広告料を払った業者はいないし、公共の放送で、私が考案したキャラクターの名前を、芸能人そのほか著名人が口にしたことなどない。

 私が捨てたアイデアで、私を追い抜いた者たちがいる。
 その事実です。



 これ以上アイデアを無駄にするものか。

 ずっと昔、デザインして作っていたフィギュアを、現在の作品制作上で使えるようにしようと努力しているのは、そう思ってのことです。

 だから、ガーゴイルとロボの二人のキャラクターのCG版を準備しているんです。

 誰かがよく似たガーゴイルやロボを作って公開する前に、一日も早く。

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 評判になると思わなくても、公開できる形に仕上げる方がいいんです。

 大したアイデアではない、などと自分で決めつけては、自分が損をするものなんです。

 いつの間にか別の誰かが、同じようなアイデアを仕事として使っていた。しかも稼いでいた。そう知って気分が悪くなってからでは遅いんです。

 今の状況で使える時間やスタミナで作れる程度の作品を、と言っても、自分が充分頑張ったと実感できるくらいでなければ、人に見せて説得する力なんてありません。
 あのアイデアは自分が考えなかったことにしていい、とか、このキャラクターは生まれなかったことにしていい、などと言っている場合ではありません。

 思い浮かんだ時に、鼻先で笑うような気分で不採用にした、そんな思い付きでさえ、自分がそれを活かしきれなかったという現実を知ってしまえば、くやしくなります。

 ましてや、作り上げるまでに何週間、何か月と費やしたアイデアは、何としても自分の手で使う体制をとらなくては。

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