クイック・クラブ [ストーリー - キャラクター]
その幻の生物を、知る者は少ない。
"Quick crab"でググった者は、「手早く作れるカニ料理」のレシピを多数見出すであろう。
だがそれは、かの生き物達の核心に迫ることを意味してはいない。
クイック・クラブと呼ばれた生き物は、はるかなる太古より、人類の生活の場の、わりと近いあたりをうろちょろしていた。
時には人間がクイック・クラブをとって来て、晩のおかずにすることもあった。
ところがクイック・クラブは、その顔つきに似合わず、知恵が働く生き物だった。人間に食べられないように、巧妙に身を隠したのである。
人類は、かれらの姿を目にすることがなくなった。さらに時が流れ、人類は、かれらの存在そのものを忘れていった。
いつしか人々はクイック・クラブという生物の姿を忘れ、クイック・クラブというのは「手軽に作れるカニ料理」の意味へと入れ替わっていったのだ。
クイック・クラブは、知恵が働く生き物だった。ひょっとすると、人間界に情報操作をしてたりするかもしれない…。
*** *** ***
長いしっぽと、ひれのような10本の足で、泳いだり飛びはねたりします。
アリスのニセウミガメのような流れから、ひらめいたフィクションです。
ついでなんですけれど、クイック・クラブが登場するイラストをPixivに投稿しました。
作品「Casual meeting 2」
おひまがありましたら、見ていただけるとうれしいです。
2014-06-08 07:07
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0