心配する前に、あぶなっかしいのはどっちだろう。

　木曜までは暖かかったけれど、関東の週末は寒くなる、という予報でした。

　蝶なんかは大丈夫かな、と思ってしまいます。

　羽の面積が大きい虫だから、体温の消耗も早いような気がします。


　でも、考えてみれば、野生の生き物というのは、人間よりもずっとシビアな環境を、生きのびているものなんです。

　アゲハは人間が近づくと、さりげなくよけるし、たいていどんな蝶も、人が手をのばしても届かないように、相手との距離をとっているようです。

　昆虫は実際には、人間よりも知能が低いとは言っても、現実的な生きる知恵は、ちゃんと心得ているみたいです。

　だから、余計な心配かもしれませんね。


　余計なこと考えてるひまがあれば、自分の作品PRのことでも、心配しなきゃならないのかも。

ひらめきが、ひらめきをくれるんです。

　アゲハチョウを、東京でも見かけました。暖かくなりましたね。

　以前の私は、蝶へ特に興味はなかったのでした。
　きっかけは、キャプテン・キュンメルといもむしラゼンパを考案したことです。



　かれらを表現するために資料を読んだり、実際の蝶を観察して、親近感を持つようになっていきました。

　蝶が好きだったから作品に取り入れたのではなく、その逆だったんです。


　作品を通じて、人に影響を与えたい。そういう作家はよくいます。

　けれど、作者自身も、自分のひらめきがきっかけになって、新しい何かに興味を抱いたりするように、なるものなんです。

　作品自体を作るほかにも、楽しいことが見つかるのが、作品づくりの面白さです。