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いもむしラゼンパが、世界を変えました。 [パーソナル ノート]

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 蝶の司キャプテン・キュンメルの最年少の仲間、いもむしのラゼンパ君を考案した時の話です。



 このブログを開設するよりも前の一時期ですけれど、『ゼフィーベの空に風翔けて』よりも、ずっと暗い物語を考えていた頃がありました。
 作品として、本気で仕上げるつもりでいたとも言えません。私自身の作品は認められないし、世の中を見渡せば、いやなことばかりだし…と、愚痴を執筆するようなものでした。



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 その物語の中に、ある女の子が登場していました。
 蝶と話ができる少女でした。権力者からおどされて、蝶たちを操ってスパイとして働くことを強要されていたのでした。



 愚痴のような作品でしたから、書いていても楽しい気分にはなれなくて、不完全なまま放置していたのですけれど、ある時、思い立ったのでした。

 あの子のところには蝶が大勢いるんだから、ちょうちょになる前のいもむしだって、いてもいいかも。

 そこで、少女と蝶たちを描いたイラストに、いもむしを加えてみました。
 当初はほんの気まぐれだったので、絵本作家エリック・カールの代表作『はらぺこあおむし』をそのまま写しただけの外見でした。

 けれども、なんだか面白くなりました。以前の暗い話よりも、このほうがだんぜん楽しくなりそう!

 かくして、独自にデザインしたキャラクター、いもむしラゼンパが誕生したのでした。



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 ラゼンパが登場して、作品として大幅な作り直しが必要となりました。

 蝶たちは、いもむしの前で立派な先輩でいようとふるまうようになりました。
 上流階級からの命令に屈するばかりだった少女は、蝶たちの意見を冷静に取りまとめ、いもむしラゼンパを優しく見守る、キャプテン・キュンメルになっていきました。

 もう、それまでの暗い舞台は使えなくなりました。
 すさんだハードボイルドも、つまらない悪役も使い物にならなくなって、結果としてキュンメルも蝶たちも、いもむしラゼンパと一緒に、ゼフィーベという舞台の登場人物となったのでした。



 もしもラゼンパを考案していなかったら、私が発表する作品そのものが、今とは違うものになっていたかもしれません。

 作者の私にとっても、どんな作品を作ると楽しくなれるのか、気付かせてくれた存在なんです。


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