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終わりのない下ごしらえ [メイキング - Blender]

手品の小道具を持たせてみました。いもむしラゼンパもついでに登場してます。

 人間キャラクターの、手の指の関節データを改良しました。特に親指の動きを改善して、開いた手も、道具を持つしぐさも、より自然に、迅速に再現できるようにしました。



 手というのは小さいパーツですが重要で、絵の構図作り全体に影響することさえあります。

 この構造では、こっちに指を動かすと不自然な形になってしまう。この手つきをする場合は、このアングルから見ると一番ましだから、絵のアングル自体こっちからとらえるしかない…
 …その種のことはよくあります。手に限らず、小道具その他さまざまな物でもあることです。絵が完成して、ウェブへの投稿やイベントでの発表が終わってから、ああこうやって改善すればよかったんだ…なんて気が付くものです。

 先月から漫画を描いていた経験で、コマやふきだしの改善策にも気づきました。こちらはデータの作り変えではなく、操作手順の改善の類ですから、忘れないようにメモしておきます。

 3Dデータでも、その他の材料や作業手順でも「これで完璧」「これで全ての状況に対応できる」というものは無いのだ、という戒めです。Blenderの詳細な解説書を著したトニー・マレン氏はじめ様々な専門家から、言い方は違っても似たような内容の教訓で、その道の奥の深さを知らされています。
 作品制作の大部分は、こうした地味な下準備です。新しい作品にトライしたいという思いがある限り、終わりのないものです。



 ついでに、この間Pixivに投稿したイラスト作りがきっかけで、いもむしラゼンパの関節データの改善案も、ひとつ見つけました。とは言っても、やっぱりいもむしですから、手足の動きのバリエーションは大して増えませんけれど…。


かんちがいのオオアマナ [メイキング - Blender]

Orni_20150325.jpg

 近所の花壇で何年か前から、白いきれいな花を見かけるようになりました。
 手元の本で調べてみたら、オオアマナという花の写真とよく似ていました。
 だから私は、その花のことをずっと、オオアマナだと思っていました。

 最近、5月のイベント出展のために、春の草花などを調べることにしました。
 5月に合いそうな作品にするので、だいたいその時期に咲いている花を、絵に登場させてみよう、というわけです。

 どの花を描いてみようかな…と資料をながめていると、オオアマナの項目を見つけました。

 オオアマナ。4、5月から夏頃に自然開花する…

 たしか、近所の花壇で見かけたのは秋でした。私が何か勘違いしていたのかな…
 ついでに秋の花を調べてみたら、見覚えのある白い花の項目を見つけました。
 …ゼフィランサス? …ということは、これのことを今までず-っと、オオアマナだと思い込んでいたのか…。

 自分の覚え間違いに少々あきれながらBlenderを起動して、3Dデータを作成しました。
 勘違いのゼフィランサスじゃなくって、ちゃんと、春のオオアマナです。



たぶん、なんとかなる子です。 [メイキング - Blender]

5等身のリンナミーシャ

ちびデフォルメのリンナミーシャ

 空の語り部リンナミーシャ、蝶の司キャプテン・キュンメルなどの人間キャラのデータは、イラストの内容に合わせて等身をある程度、変えられるように作ってあります。
 等身に合わせられるように、顔のプロポーションも変化させられるようにしてあります。6等身の時よりも、4等身の時の顔は幼く見えるようにする、というわけです。
 こんな仕掛けがあればいいな、と思ったから、ある時Blender上のデータを手入れする時に作成したんです。


 創作活動というのも、作業のほとんどは地味なものです。私の場合、作業時間の多くを占めていることのひとつが、3Dデータの整備です。
 ここの外見は、こういう風に変えると良くなる、ここの関節はこうやって動くようにすると、キャラクターの動きを表現しやすくなる、そうしたことが、イラストを一枚仕上げるたびに見つかります。
 作品が出来上がったら、どこで手間取ったのかを振り返って、改善策を施して、次からの作品づくりに活かす、そんな循環です。

やや童顔のキュンメル。左下は完全にお子様のラゼンパ

 それはそうと、この間、キャプテン・キュンメルのデータの手入れをしていた時にミスをして、幼い顔のまま、元に戻せなくなってしまいました。
 本来の等身数に戻した時に違和感がある、というほどではないから…別にいいんです! 何とかなります!
 整備ばかり増やしていたら、発表する段階の作品づくりへ時間を割けなくなってしまいます。失敗しちゃったけれど、たぶん大丈夫だから、発表できるように進めましょう。



画面の彩り [メイキング - Blender]

先月作成の応接間

 先日Blenderで、応接間の調度品を作成した時のことでした。

 お皿も、棚に飾るつもりで用意したんですが、何だか、ぱっとしません。
 料理をよそってある器はいいんですけれど、空いている皿というのは色柄がないと、単なるCD-ROMみたいで、予想以上に味気ないのでした。

 そういえば、女の子たちの衣服だって、もっと模様とかがあっていいはずだよなあ…と思いました。
 現代の実際の日用品ならば事情は違いますが、ファンタジー世界らしい家具調度や衣料、日用品というと、やっぱり手仕事らしさが外見に表れていなくちゃ…

 それで、UVマッピングで文様を作ることにしました。

Pattern01・赤と緑の穂先型の配置

 大昔の土器などを思い出してみても、やっぱり私たち人間というものは、身のまわりの品々に色や模様で飾りつけをするのが好きなんですよね。

模様付けした食器とテーブルの試作イラスト

 それに、こうして小道具に絵付けをするのも、絵描きの基本だと思います。

 思い出してみれば『はだしのゲン』に様々な絵描きが登場していました。ゲンの父親も絵描きで、日用品に色柄を描きこむ仕事を請け負って家族を養っていたのでした。戦時中のお話だからプリンターや画像処理ソフトなんて無くて、絵付けは全部手描き、気の遠くなるような苦労が漫画の描写に表れていました。
 そんなおとうちゃんの苦労と比べれば、CGの文様はもっと広く活かせます。一種類の文様を食器や衣服などに写してみるだけでも、雰囲気が変わるようです。

 技術として難しい話でもないのに、どうして今まで自分は採り入れなかったんだろう…、そう思い返すと、妙なことを見落としていたものです。

 これなら工夫次第で、もっと画面に変化をつけられるはず。作業時間を増やすのが困難でも、作品をもっと多様にできるはず。
 きれいな色柄をちりばめて、私自身の発想も明るくなった気がします。


冬服パーツ追加しました。 [メイキング - Blender]

sample_winter01_20141221.jpg

 冬服らしく見せるための、マフラーなどの小道具を作りました。

 ずっと、作らなくてもいいんじゃないか、と思っていました。先の記事でも書いたように、イベント出展が作品制作のメインなので、イベント開催時期に合わせた季節感が優先です。

 けれども、ウェブの投稿は年間通して続けるものですから、今の季節らしい小道具も少しはあるといいな、と考え直しました。

 それに、画面に変化をつけるためにも、女の子の衣装のバリエーションなどは増やしていかないと。

 そんなことを考えながら、冬服の資料を読んでいました。いろいろな案を立てていたんですけれど、作成に時間がかかりすぎてはいけないので、こったデザインの案は取りやめにしました。マフラーを追加して、上着の色合いをすこし抑えめにして、なんとなく寒い時期っぽく見えるかな…という程度にしました。

 Blenderを起動していた時間そのものは短めでしたが、その前の検討段階で迷ってしまいました。よくある、作業時間枠の浪費でした。

 今回の作業が正しかったのかどうか、正直に言って、わかりません。来年2月1日がコミティア開催日、今からひと月程度の期間で本を作ろう、という時に、別の小道具を作ることに時間を割いてよかったのかどうか。

 でも、悩んでいても時間を巻き戻せるわけでもないし、残りの期間で出展準備に集中するしかない、と思っています。

 マンネリ化しないように、絶えず舞台装置をデザインして、3Dデータを作成してゆこう、もっと効率的に作品を制作・投稿して、様々な作品公募に対応してゆこう…って、思っているくせに、なかなか進まないものです。


雪の結晶、対称形づくり [メイキング - Blender]

Snowflakes_20141203.png

 寒い季節がやってくるので、それに合わせて、雪の結晶を作成してみました。

 雪の結晶の形には無数の種類があります。ですから、一つの画面に同じパターンの結晶を複数置いては、らしくないです。
 そこで、あとから形をチューニングしやすい3Dデータにすることを、今回の課題としました。

 今回のポイントは二点、鏡面対象の像をかたちづくるミラー・モディファイア(Mirror Modifier)、それとデータブロック共有です。


Snowflake_components_20141203.png

 作成した結晶一つは、四つのMeshオブジェクトから成ります。中心の六角形の胴体部分と、枝状の部分です。枝は向かい合わせの二本が一オブジェクトです。

 同じ形の枝は、同一のデータブロックです。つまり、分身同士だけれど、画面上で別々の場所に置いてあるというものです。
 Blenderでオブジェクトを複製するショートカットキーは[Shift]+[D]ですが、かわりに[Alt]+[D]で複製すると、データブロックを共有した複製品になります。一つの形を加工すれば、分身の形も同じように変わります。


Snowflake_editmode_20141203.png

 さらにミラー・モディファイアを使うので、枝の形の編集は左右両側と、向こう側の枝にも反映されます。
 つまり、枝六本のうち一つの片面だけを加工すれば、残り全体にも反映されます。一度に12ヶ所、加工できるわけです。

 最初に水平方向の枝一対を作成して、胴体部分を中心に、同一のデータブロックの枝を60度ずつ回転させて配置して、雪の結晶の出来上がりです。

 人間やおもだった動物の3Dデータは、X軸基準の左右対称で作成すれば、たいていうまくいきます。
 それ以外にも、草木が枝や葉をのばしていくように、中心軸から放射状に広げていくパターンもあります。今回の雪の結晶づくりを応用すれば、そうした生き物なども作成しやすくなると思っています。


かえでの葉。秋に向かうちいさな一歩。 [メイキング - Blender]

Maple_green_20140916.jpg

 かえでの葉の3Dデータを作りました。

 イベント出展が11月なので、秋が深まった頃に似合いそうな舞台装置があればいいと思って、その中で作ったものの一つです。


Tip01_20140916.jpg
 最初に、GIMPで葉を一枚作ります。
 ペンで描いたのではなくて、楕円選択ツールです。
 円形の選択範囲から、もう一回円形に選択して、端がとがった木の葉型を作って、扇のように回転させて配置していきました。
 そうして作った画像を、いつものようにBlenderのUVマッピングに使って、かえでの出来上がりというわけです。


Maple_yellow_20140916.jpg


 どうも近ごろ、こういう基礎作りや試作品ばかりで退屈な投稿だとは思いますが、ブログやPixivアカウントをほったらかしにしているように見えてもよくないので、公開することにしました。
 でも、イラストを描くのは、こういう地味な準備が多いものです。
 こんなつまらない記事を、わざわざブログとPixivの両方に投稿して、失礼いたしました。
 私もイラストや物語を作らないとつまらないから、急いで準備を済ませるつもりです。



草原の舞台装置による習作、つづきです。 [メイキング - Blender]

20140723_Meadow0243_20140722.jpg

「お探しのものは、金のかぼちゃかしら、それとも銀のかぼちゃでして?」
「金でも銀でもないわよ。普通に種から芽が出て実がなる、どこにでもあるようなカボチャ、なんだけど…あなた、お手伝いしてるの? えらいわねえ…」



20140723_cmp_dist_flat_20140722.jpg

 前回の作業時間に作成した草原のデータを、キャラクターと合わせて画面に出してみました。
 今回は地面にいるキャラクターと組み合わせる画面で、思ったとおりに使えるかを試す目的でした。
 実験的なことばかりが気になったせいで、前回のイラストからカメラの角度を変えただけのような、いささか工夫にとぼしい作品にしてしまいました。

 なんだか地味な試作ばかりをしているんですけれど、これもイベント出展のためです。
 ブログに載せる文章や絵は、あとでミスを見つけたら、書き換えたり削除したりできますが、品物の場合は、人の手に渡してしまったら、あとから手直しなんかできません。
 頒布品を作る準備は、私にとっては独特のプレッシャーがあります。値段をつけて売るものはもちろん、無料配布するためのチラシも、いい加減なものにはしたくありません。絵柄が粗いのもだめだけど、URLとかの書き間違いがあったら、もってのほかでしょ?
 かと言って、慎重になりすぎると下準備に時間を使いすぎてしまいますけれど。
 いつもどおりの陳腐な言葉なんですけれど、がんばろうって自分に言い聞かせるのみです。

お手軽草原、はじめました。 [メイキング - Blender]

fin02_43_20140715.jpg

 あいかわらず作品制作が遅くて、今回も新作イラスト発表というより、ちょっと舞台装置を改良しました、という程度の経過報告です。
 草原の3Dデータを新しく作りました。主に遠景に使う書き割りなんですけれど、これまでに作成した草花よりも、使うメモリーが少ないので、風景イラスト作りが、また一歩効率化できました。




Img_IandIV_Grass.jpg
 以前描いたイラストの中には、自然な感じの草原に見せるために、たった一枚の絵を何時間もかけて仕上げたというケースが何度かありました。

130331_01Oxalis.jpg
 草花の実物を撮影して、CGのキャラクターたちの絵と合成することもあります。役に立つ方法ですけれど、イラストに使えそうな格好で実際に咲いている植物を、探さなければならないのが難点です。

 あいかわらず、人気が出るイラストなのかどうか、よく分からない絵ばかりですけれど、BlenderやGIMPの機能を活かすための試行錯誤は続けているんです。



 ともかく、草花の3Dデータの種類も充実してきました。今回作った遠景用の草原はきっと役立つはずです。以前作った草木の葉だって、使うメモリーが多いけれども、接写に使えます。だから消去しないで、とってあります。

 とは言っても、実際の草花はもっと変化に富んでいますからね。今度はイベント出展の時期に合わせて、秋らしく麦畑とかも作ってもいいなあって、思っています。


今週の頭は、ちいさな一歩。 [メイキング - Blender]

20140710_11_1s_20140709.jpg

 舞台装置の3Dデータを追加で作っています。今週初めからこの記事を書くまでの時点で、観覧車やスイレンの花、蝶の司キャプテン・キュンメルのスカートのディテール向上版を作りました。



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 わざわざ記事にしなければ分からないような、ほんの少しだけの完成度向上なんですけれど、画面の主役としてクローズアップするときのためです。

 花や観覧車などは、物語では、ときどき登場する程度の、物言わぬ小道具にすぎないんですけれど、レジン小物を作るために風景のイラストを描く、という場合には、大事な主役なんです。
 つまり、こうしたデータ作りも、これから販売用の作品を作るための、大事な準備作業というものなんです。



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 キャプテン・キュンメルの衣装は、明るい色と濃い色の部分の広さの違いを、少し変えてみました。感覚的で、うまい説明の言葉が思いつかないんですけれど、前よりも少し、よくなったのではないかと思います。
 古いほうの衣装は、消去しないでとってあります。ポリゴンとしての構造や外見がシンプル、という長所があるので、これからドレス風の衣装や、ドレスを着たキャラクターを作成する時、テンプレートとして使えます。


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 観覧車は外見を改良しただけですけれど、ドラマの中で登場人物が乗る場面を描くとなれば、内部の座席も、もっと細かくデータを作成しておくことになるはずです。
 必要に応じて、少しずつ作り足していきましょう。



 今週の後半は、このスイレンなどを活かして、絵付け小物を作りたいと思います。
 台風が気になるから、もしかすると換気が必要なレジンは使えないかもしれないけれど…どうか、ひどい雨ではありませんように…。


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