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『虹のペリュトン』制作をひとまず終えて

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 また今度も印刷・製本完了が、コミティア開催当日の朝になってしまいました。

『虹のペリュトン』(Pixiv)

 『虹のペリュトン』は製本としては全32ページの漫画です。本として完成はしたけれども、絵が粗いコマはあるし、シナリオにも推敲の足りないところが残りました。

 昨年末にブログのURLも変更になったのに、奥付に古い方のURLを載せたまま印刷してしまいました。

 表紙も、タイトルしか書いていないようなものです。開催当日の未明に作っていた部分なので、早く印刷や製本の作業をしないと間に合わなくて、表紙に凝った絵を描くことはあきらめました。

 このおかげか、作業や出発は辛うじて間に合って、2018年末のコミティアの日と違って、遅刻はしなくて済みました。

 でも、こんな表紙の本で、前もって何も宣伝していないのでは、看板が無い店のようなものです。お客さんが寄り付くはずもありません。



 昨年末に作品の準備をしていた時期に無駄なことで迷ってしまったために、シナリオを決めてネームを書くことが遅くなりすぎました。

 1月の終わりごろから原稿執筆を始めたので、当日に間に合うのか不安になって、大急ぎで制作しました。
 全32ページとして執筆したのも、ページ数短縮のためにはシナリオ検討の時間をさらに増やさなければならなかったからでした。


 今回は間に合ったけれども、今後同じペースで作品制作ができるという意味ではないと考えています。
 実生活で片付けなければならないことを先送りにしてばかりだったし、睡眠も充分にとらないと体調にも響きます。
 現実面でも健康管理の面でも、こんな日程で漫画を書く状況は無い方がいいでしょう。



 ページ数を短縮することはできなかったけれども、場所の移動を少なく抑えて、背景を作成する作業は増えないように気をつけることができました。

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 話の多くの部分は、家に囲まれた中庭で進みます。こういう庭のことはパティオと呼ぶそうです。

 冬の出展に持参する作品なので、当初は屋内を舞台にしようかと思っていました。
 けれども、翼を持つペリュトンが飛来する場面があることは決めていたので、部屋の中では、ペリュトンがどうやって入って来るのか、面倒な描写をすることになってしまうのではないかと思いました。

 それで、主なやり取りは屋根の無い区画で進めることにして、季節がいつなのかは、あいまいにしました。
 窓・扉をひと組だけ作成して、配列複製で建物の形にする方法ですが、この建物の3Dデータも、1月末から2月初めにかけて、本文を執筆しながら作っていったものでした。



 中盤で大きな建造物群が並ぶ場面があります。いつ、どこの出来事なのか説明していないのも、セリフを作る作業を節約したからです。

 ここの建物は現代のコンクリート建築のような、表面に何も模様や色柄の無い、無表情な建物です。この舞台は悪役・縦精怪コードフィーンドが登場するためだったからです。

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 縦精怪コードフィーンドは表面に複雑なディテールを作成したので、どこかのアニメや特撮番組に全く同じものが出てきているようなことは無いのではないかと思います。敵として作ったキャラクターですが、よその猿真似ではないと言えるように、苦労して考え出したものです。

 でも、このディテールのせいで、背景に入り組んだ物を置けなくなりました。背後が街並でもややこしいし、野山や木立では、もう何だかわからなくなります。

 それなので、無表情な建物にしました。魅力ある被写体かそうでないかに関わらず、画面を作り上げる作業は何かしら苦労があるものです。



 赤毛のシャウラと語り部リンナミーシャが、目上の人物と話している部屋も、執筆と同時進行で作成したものでした。

 目上の人物は後姿とセリフだけです。主人公たちを非難する悪役なので、実在する人物を思わせる外見にしてはならないと考えました。シナリオ上重要な人物ではないという意味もありますが、実在の誰かをおとしめる内容は避けるべきだからです。

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 リンナミーシャが育てている、宙に浮く花も少し登場します。
 リンナミーシャは武器を持って戦うのではなく、対話で相手の性質や意図を引き出すような立場を目指すようにしたいと思っています。
 この花も武器になるのではなく、やり取りの場で宙に浮いて動くことで、話し合いにアクセントをつけるために使えるのではないかと考えて、こうして登場させてみました。



 作品制作を、きつい進め方にしてしまったけれども、今後改めるとすれば、時間を無駄にしない工夫や、体調や実生活に悪影響を起こさない対策であって、作品のハードルを低くすることではないと考えています。

 達成不可能な仕事を請け負うのはよくないけれど、簡単すぎる作業ばかりでは、制作の中で気が付いて向上させる点が少なくなってしまうようです。

 『虹のペリュトン』は完璧ではなかったけれども、もしも、もっと小規模な作品だけでお茶をにごしていたら、経験から得たものはもっと少なかったのだろうと思います。
 その収穫をひとつひとつ挙げるよりも、この先の作品で実践していくつもりです。

 今度の作品づくりもきつい作業だったし、できばえも名作には程遠い。でもあきらめずに完成させたことが、私にとっては何かを得たことになると思います。
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